☆☆写真講義☆☆ 応用理論編
写真を展示する場所
nakagawa shigeo 2004
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写真を展示する場所

デジタルカメラの時代になって、ネットワークも整備されてきて、ホームページやブログ、それに写真アルバムがネットワーク上で簡単に作れるようになっています。写真を展示する場所は、かってはギャラリー壁面でしかできなかったのですが、いまやネット上にて展示するのがメインになったといえます。

かって自分の写真を展示するには、一定の水準を要求するメーカーギャラリーとか、お金をだせば展示できる貸しギャラリーとか、経費がかかりました。ところがデジタル写真の制作、ネットワーク上での展示には、ほとんどコストがかかりません。これは革命的状況だと思います。

明確にデジタル写真時代になって、環境が大きく変わったと認識します。およそ100年前、ハンディカメラが発売されて、スナップショット手法が主流となりました。いまや携帯電話のカメラ機能で、誰もが常時手許にカメラを持っている時代です。携帯電話からそのままブログに写真をアップできることが出来ます。写真制作と写真展示の場所が、ここにきて大きく転換しているのです。

2007.6.22 nakagawa shigeo


写真が紙(印画紙)の上に定着された擬似イメージだということで壁面に飾られる。
ギャラリーやミュージアムの壁面に展示される。
これが一般的な写真の展示方法でした。
いまの時期、あえて過去形で書くしかない現状なのかも知れないですね。

デジタル写真の時代だからネットワーク上で発表するというのも手だと思います。
とはいえ写真を撮る人が発表する場として、まだまだギャラリー優先ですね。
具体的な数値を基に分析してるわけではなく雑感ですけどね。

といいながらもホームページにも作品いっぱい発表されています。
たしかにギャラリーでの展示というとそれなりにセレクトしますから、
それなりに見栄えする写真となっているようです。
ホームページに発表される写真は家庭のアルバム帖といったところかも知れません。

善し悪しべつにして、いまはこのふたつの展示する場所があることの確認です。
美術館を頂点とする場というのは作品収納の場として歴史がありますし、
それだけで価値を構成する仕組みを創っているんですが、
この価値の突き崩しっていうのがまもなく現れてくるのではないか、という予感がします。

つまり写真の価値という意味の見直しですね。
大きくは1960年代に立ち現れた価値軸変更の時代のように・・・
いまあらためて写真の価値軸変動の時代に入ったという感じです。

この現象は写真に限ったことではないですね。
1968年問題という言い方でわたしは見ておりますが、
社会制度のありかた論が活発になってきている背景をもって、
当然、写真のありかた論に及んでしかるべき時期がきている。

ちょうど新しい展示場所としてのデジタルネットワークが写真において意識されるように、
写真を撮る人と撮られる対象の位置関係もわたしの内部に向かうことがいっそう顕著になっています。

きっと、写真の社会的存在の位置が微妙にずれてきているんですよね。