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 フォトハウスの最初の案内発信は1984年11月15日付で、案内と組織図を郵便にて関係各位に発送しました。その文面を書き上げておきます。
<フォトハウスが行う当面の事業について>
 私たちフォトハウス設立準備会のメンバーは、その構想概要を明確にすべくミーティングを重ねてまいりましたが、ここに、フォトハウスが行う当面の事業についての構想概要が明確になってきましたので、より多くの皆様のご指導を仰ぎたく、ここに列記し、ご賛同をお願い申しあげる私大です。
 さて、私たちは、かねてから、世界にはばたいていけるイメージ都市<京都>において、現代写真の質を定着させるべく、また現代写真の質を具現化する人材の輩出に向けて、そのバック・グラウンド創りとして幾多の方法を考えてまいりました。
 たとえば「図書館に写真集を!」運動(1982-6)や、「フォト・シンポジューム in kyoto」の開催(1981-11・1982・12)、また写真批評誌「映像情報」の発刊(1980-8~84-1)等々。そすて現在(1984-11)、なによりもそれら写真をめぐる潮流の意をくみとり、今後も引き続き、より発展的にそれらを総括し、新たなる写真をめざじて、実践していける母体創出の必要を痛感してきたところです。
 そこで私たちは、写真という表現形態を持って、個々が一層主体的にかかわって、よりすぐれた写真活動のできる土壌を創っていく母体として、機能していけるシステムの創出を基本とした、フォトハウスの設立をもくろみ、ここにその準備会が発足しました。
 フォトハウスとして具体的には、次のような企画と形態を考えています。
1、フォト・ワークショップの開講
2、フォト・シンポジュームの開催
3、写真展などの開催
4、写真批評誌の発行
5、写真集など単行本の刊行
6、その他、営業に関する企画
 これらの事業を達成していくための形態としては、組織図において明確にされているように、フォトハウスのありうべき方向を協議するための運営委員会を設定し、その内容を具体化して実行する実務処理機関として総務事務局を設置しました。
 またフォトハウス構想の中軸となる研究部門を総括する研究講座事務局の設置、また研究部門で成された成果を媒体として公表することを中軸とする出版局の設置、そしてこれらの流通機能を担当する業務企画局の設置。これらの機能を整備することによって、フォトハウスの外観とします。
 こうして外観についての構想はできましたが、要は内容の問題であると思います。そして、これらの事業を行っていく為にはひとりや二人の力では、どうすることも出来ないものです。また事業を成すためには、物、金、人という3つの条件が必要とも言われており、この各々について解決していかなければならない問題があります。しかし、だからといって、あきらめてしまうのではなく、これらの意に賛同される人々は、今こそ、ここに総結集してひとつ一つと問題の解決のために、協同していく必要があるでしょう。
 また、私たちは、現在であるからこそ、これたの行為や実験のすべてが意味を持つと、考えています。私たちとしては、何よりも現代写真が担わなければならない質は、私たち自身でしか担えないだろうと考えているのです。フォトハウスへ、皆様のより豊かな創造で、積極的な参加を期待しています。(全文掲載しました)